最近見た映画(トイ・ストーリー5、ちいかわ、台風クラブの映画、急に具合が悪くなる、ワルプルギスの廻天)

Posted on September 3, 2026

最近日記書いてないのもあって映画について考えてることが頭の中で膨れ上がってきたので書く。特に見た順とかではない。ネタバレがあります。なんか連続キー入力の速度が異常に早くて書きづらい。ちゃんと頭の中で考えて書けということか。

ちいかわ

かなり基本的な構成の作り方というか、よくできた脚本だったような気がした。まあ原作のシリーズも結構面白いからそれもあると思うけど。 映画としては、人魚を食った二人の話をちゃんと描写するのが面白いというか、覇権コンテンツさを感じた。あそこである程度匂わせる程度にしておいて、物語自体はハチワレとちいかわの話として作ることもできたと思うけど、あの部分の描写が強めにされることでちいかわがそれを見過ごすごとの意味合いとかをより強めていた気がする。物語のテンポはかなりいいし、他で休まるところも独特なノリで飽きさせないようにしてるので、あの描写は狙ってやってるんだろう。 X のダルいノリを見てたら見に行ってなかった気がするので、だいぶ逆張りをしなくて済むようになったなと思うところもある。

トイ・ストーリー 5

個人的には結構好きだった。4のストーリーに不満だったのは、おもちゃの話ではなくウッディの話だったからだと感じている。キャラクター自体への祈りのようなものがあることは全く否定しないんだけど、トイ・ストーリーってそれでもおもちゃの話だったんじゃんと思っていて、それってつまり子どもとおもちゃのための話だと思っていた。おもちゃは常に自分が遊んでもらいたいということと、子どもに幸せになってほしいということの2つを考えていて、その2つの中でどうするべきか、というテーマが2、3でスケールアップしながら考えられていたのに、4はそうではなかったのが残念だったのだと思う。

5のストーリーはその点かなりよかったし、この時代に子どもにどう生きていてほしいかみたいなことを改めて考える機会が与えられたのかな、とも感じた。社会の変動によって物語の重心が元に戻っていったような感じ。ギミック自体はシンプルだし、冒険要素も薄めなんだけど、それを大量のバズ・ライトイヤーで解決するのは流石にパワープレイすぎて笑っちゃった。

ひまつぶし、のようなもの(台風クラブドキュメンタリー)

メンバーの一人が撮ってるからその時点でかなりメタ構造があって変なんだけど、不思議な面白さがあった。まず自分が見てたライブが結構映画になってるのが面白い。香川の台風クラブのライブでベロベロになって変なダイブしようとしたやつがいたんだけど、そいつがメンバーに窘められてる裏の映像があって面白かった。変な記憶がつながる。めちゃくちゃ生活の映画だったなとも思うところはあった。

バンドマンは40になるとロックンロールをやるしかなくなるのかなと思った。そもそも音楽がいいので、ぼんやり見てられる。まだ終わらねえのかよ、と長くないし終わってほしいと思ってないのに思う変な映画だった。やたら ED への入りも良かったし。

急に具合が悪くなる

ここ数年見た、というか今まで見た映画の中で一番良かったというか、これ以上の映画を見ることは叶わないかもしれないと思った。この映画について考えることはこれからもずっとあると思うけど、今思ってることだけ下に書く。

魂の邂逅と言われるものがもしあったとして、それがどのように果たされるのかはいろんな可能性があると思うけど、原作の著者の二人は往復書簡と二人の異なる分野での深い知識と専門的な姿勢、往復書簡とは別に行われていた友人としての会話、そして「急に具合が悪くなる」という言葉に現れている死と、その死を前にした自分の根幹的な部分が組み合わさってそれがなされたと思っている。

この話を再現するために、映画では「日本語とフランス語での会話(これにより、通常のコミュニケーションではある種スムーズに移動することができない議論への移行が可能)」「ユマニチュードを学んだ管理職と演出家の二人の専門領域を重ね合わせて問を立てる姿勢」「介護施設でのリクリエーションを通じた友人としてのコミュニケーション」そして「死を前にどのようにして生きるか」ということで、原作の著者二人の魂の邂逅を表したのだと思う。

これを再現できることの素晴らしさ、圧倒的な技巧というのもあるけれど、それ以上に、これを再現することの凄さ、というのがあると思った。原作という二人の人間の圧倒的な交流を前にして、もう一度それを映画にしようという姿勢に感銘を受けた。それが踏み出す、ということなのかもしれない。

今京都で出町座でやってるので見に行きたいけど、なんかもう一度見に行かなくてもいいのではと思っている自分がいる。なんでかはわからない。

魔法少女まどかマギカ ワルプルギスの廻天

書こうと思うと無限に書けるんだけど、実はそんなに悪いとは思っていないところがある。言語化した感情と実際に持ってる感情に結構差異がある。

前作とどれくらい比べて語るべきかわからないけど、やっぱ叛逆の物語って異常に美しいと思う。アニメシリーズの完全なカウンターとしての機能と、そのカウンターの意味を深めるための完璧な前段の物語がある。この美しさを超えるためには、アニメシリーズと叛逆の物語を両者踏まえた、まどかとほむらの話をやるものだと普通は思うと思う。でもそうではなかった。その時点で求めていたものではないから、評価が難しくなっている。

世界を革命する力が、少女の祈りによってあらゆる形で出てくるという話なのだと思っていた。まどかとほむらにのみ与えられたその力が、あらゆる魔法少女に与えられるのであれば、それはマルチバースシステムのような、魔法少女まどかマギカというシリーズを広げていく上で面白い展開になると思う。でもそういうこともしてないんだよな。だとしたらワルプルギスを語った理由はなんだったんだよと思っている。圧倒的な強者だったワルプルギスの夜の正体を語る意味というのが見えてこなかったような気はした。

最終的にほむらの祈りが壊れるのもよくわからなかった。なぜ壊れる必要があるのか?世界に背いた人間はその世界が許さない限りは最後まで許されないべきじゃないのか?その執着はどこに行ったのか?

とまあ色々言いたいことはあるけど、続編があることが前提の話なので続編を待つしかないかなぁと言う気がしている。映像の良さとかは圧倒的に今作のほうが良かったと思う。そういう意味ではストーリーとかあまり気にせずに映像だけ見ておけばいいかなという気もする。


こう見ると、脚本や構造というものに自分は圧倒的に支配されてるなと思う。ひまつぶし、のようなものは結構カットが面白い部分があったし、急に具合が悪くなるの場面転換とかも相当良かったし、こちらについて語れるようになりたいと思う。

アニメ映画って全部が全体の意思としてコントロールできてるところがあると思っていて、なので絵としてやブレの面白さみたいなところはあまり語れるようにならないなと思った。もうちょっと実写映画を見たほうがいい気がする。