Posted on December 22, 2024
まあまあ今年は難しかったような気もする。感傷多めで書いていきます。というか一枚目の文量が多いので読み飛ばしてもらってもいいです。
1. see you, frail angel. sea adore you. | Homecomings
毎年この手のアルバムを選ぶときは自分がよく聞いていたものを選ぶようにしていて、そういう意味ではこのアルバムはそこまで聞いてない。 ドラムが一人抜けることでここまで変わるのか、というか、今までHomecomingsのあのバンドの雰囲気を作っていたのがあのドラムだったのだということに、いなくなってから気付く形になった。脱退ライブの雰囲気とか、割と飄々としているというか、仕方ないことでしょう、みたいに振る舞っているように見えていたので、半年ぶりぐらいに見たライブの変わりようにびっくりしてしまった。
もともとギターとボーカルがクラブ文化に近しいのとか、サブカルチャーと距離が近いのは感じていたけど、それを前面に出すことはしていなかったと思う。あくまでサンプリング程度というか、バンドとしての芯は四人でやっているところにあって、そこに少しだけ入ってくるような感じだったのが、今作は逆転している。明らかに目指しているジャンルがあって、それをサポートメンバー含めた人間でどのようにやるかを考えて作られている。もちろん今までのようなバンドサウンドもあるんだけど、それも目指す音像があって、そこにバンドで近づこうとしているように感じる。もちろん下手とかではないというか、全員技量のあるバンドなのでこなしているんだけど、その逆転に、今まで意識していなかったバンドの形と、その形がなくなってしまったことを同時に感じた。
「寂しい」というのも「寂しくない」というのも、すべては言葉でしかないけれど、このアルバムには寂しさの結末というか、果たして何が寂しいのか、その具体的な形をアルバムとして示されたように思う。十年分の重みのあるそれを受け取って、まだうまく聞くことができない。未来の自分がこのアルバムをどう思ってるかは全然わからないけれど、今はここに置くことしかできない。
2. kirin | リーガルリリー
これまでのアルバムもどれも聞いていたけど、今作が一番つかみが強かったなと思う。天きりんの強さに引き込まれて、二曲目のキラキラの灰への流れが良くて、そこでもう勝てる様になっているアルバム。ドラムが抜けてどうなることやらと思ったけど、飄々と続けてくる感じにたかはしほのかの芯の強さがあるのだろう。というかどこまでも本気で言ってるのかわからないところが魅力ではあったんだけど、そこに説得力が追加されて真面目に聞いても流して聞いても良くなっているのが、ヒットソングっぽいなと思えて面白い。 個人的にはリッケンバッカーでずっとイメージを持ってきたバンドの次の代表曲が「キラキラの灰」なの面白いなと思う。
ねぇきりん ぼくは地上に立っている 立っている
宇宙に一番近いここで息継ぎをしているよ
3. WILD BUNNY BLUES / 野うさぎのブルース | a flood of circle
今年は本当にずっとフラッドを聞いていたので、これも発売してからすぐに聞いた。やっぱ一曲目全部いいのいいなと思う。ロックバンドは勢いでやるものだからか……。個人的には D E K O T O R A から ファスターへの流れがやっぱり好きで、特にファスターはアンセムっぷりがすごいというか、色々な反省っぽいフェーズに入ったあとに出てくるのがこれなの思春期の逆ギレっぽくていいなと思う。野音をやって人をあんだけ集めてその後に言うことが「成長したくない」なのしょうもなさすぎる。でもワンマンバンドっぽくも感じないのも面白いポイント。
4. TORCH | ネクライトーキー
ネクライトーキーはずっとやってることが足に地ついてる感じがある。どのぐらい人気のあるアーティストなのかわからないけど、ボーカルと作詞作曲がある程度分離しているからか、鮮度を失わずにやれている感じがいいですね。ネクライトーキーは十分共通言語として通用するバンドだと思うんだけど、その感じを失わないでいるのがいいなと思う。 あとやっぱ「うるせえタコが!」ですよね。
美しい歪みがあるならば聞かせてくれ
5.Where we’ve been, Where we go from here | Friko
初めて聞いたときに何故かわからないけどフェスでぶち上がってるところを想像したんだけど、そのまま本当にフジロックとかも出てて進出具合がすごかった。ドラムの工夫とボーカルの声で今のインディ・ロックに必要な要素が全部ある。圧倒的なアンセム感がありながら、聞き流すこともできる感じは結構珍しいようには思う。
6. 街よ街よ | 橋本絵莉子
前のアルバムを聞いたときはブチギレてしまったけど今作はすごく気軽に聞ける。というか別に前作もそんなキレたりしたわけではないんだけど、テンションについていけなかったところがある。今作はあくまで道の途中みたいなテンションのアルバムなので聞きやすくて、それでいてやっぱりびっくりするフレーズが多い。個人的にチャットモンチーやってたときの橋本絵莉子作詞の曲ってそこまで刺さらなかったんだけど、「このよかぶれ」のフレーズ感とかすごくいい。あとライブバージョンのインストが全然浮いてないのすごい構成力だと思う。
7.walk deadly | ArtTheaterGuild
やっぱシンプルに曲数が増えると安定感が武器になるバンドだなと思う。今作六曲あるけどどれもレベルが高い。Iris Out みたいな曲から Insomnia まで、どれもレベル高い。ギターがやっぱりレベル高いけど、それにボーカル等負けないぐらいのクオリティがあるので安心して聞ける。D.K.Pを再録してくれたのも嬉しかった。あれは私の中に強烈に記憶に残ってるライブなので。
8. Your Favorite Things | 柴田聡子
正直な話をすれば「ぼちぼち銀河」のほうが良かったんじゃないかなとは思うけど、それはそれとしてアルバムとしてはかなり良い。シンプルないい曲の中に「うつむき」みたいなフックがあるのである程度聞きやすい。「My Favorite Things」は全然刺さらなかったので、自分はもうちょい自分の書きたいことを書いているように感じるほうが好きなんだろうなというのを思った。良くも悪くも良く出来すぎなアルバム。今年の良かったアルバムを集計したらどこでもトップ10には入ると思います。
9. On the shore | 踊ってばかりの国
正直なところ前のEPのほうが好みの曲は多いんだけど、それでも唸らされるだけのパワーのあるアルバムという印象。全体的に達観したアルバムだからか、その中で再録されている「ムカデは死んでも毒を吐く」がいいフックになっている。ライブ行ったときは常時フロア大熱狂って感じで良かった。
10. CANDOLE SONGS | a flood of circle
数年後の自分がどう思うかはさておき、今一番自分の素直な気持ちで十枚選ぶとしたらこれも入ってくるだろうなと思って入れた。特に「おやすみシュガー」が良くて、俺はこれをチバユウスケの歌だと思って聞いてたんですよね。実際にはファンが亡くなったときの歌らしいのだけど。「ギター(羽あり)」といい、一曲一曲がなかなかするどくて憎めないEP。
他にも結構好きなやつがあったからどこかの日記で書こうと思う。